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就活・転職サイトでよく見る『16タイプ適職診断』― 実はそれ、本物のMBTIではありません

目次

巷で流行っている?MBTI®って何?

最近、大手就活サイトや転職ポータルサイトなどで、「16のタイプでわかる適職診断」や「あなたのMBTI(性格タイプ)は?」といった企画を目にすることはありませんか?

採用面接の場で、若手応募者から「私は〇〇タイプなので、御社のこういう業務に向いています」と言われたり、社員のプロフィール欄で4文字のアルファベットを見かけたりする機会も増えているかもしれません。

「若い世代の間で流行っているビジネスツールなのかな?」と思われているマネージャーや採用担当者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、公式MBTI®認定ユーザーである私から、人事や採用に携わる皆様にどうしても知っておいていただきたい「重要な事実」があります。

現在、多くの求人サイトやSNSで出回っているあの無料診断――。実は、本物の「MBTI®」ではありません。

🚨 ネットで人気の「16タイプ診断」と「本物のMBTI®」は何が違うのか?

ネットや就活サイトで掲載されている簡易診断は、よく見ると「〇〇家」や「▲▲者」といったキャッチーなレッテルを貼り、人を特定の型に当てはめて「あなたの適職はこれです」と勝手に答えを出しています。

そもそも公式のMBTI®(Myers-Briggs Type Indicator)とは、ユングの心理学的タイプ論の考えを基にブリッグズとマイヤーズの母娘が開発した心理検査です。

しかし、ネットの簡易診断は公式MBTI®のアルファベット4文字の枠組みだけを都合よく利用しているため、多くの採用側・求職者が「これが科学的な心理検査なんだ」と誤解してしまっているのが現状です。

私が最も危惧しているのは、これを鵜呑みにした採用側が「この人は〇〇タイプだから営業に向かない」「〇〇タイプだから採用を見送ろう」といった、身勝手な不採用理由やレッテル貼りに使ってしまうことです。

本来のMBTI®は、決してそんな「人材のふるい落とし(ジャッジ)」のためのツールではありません。

💡 テスト結果は「決定事項」ではなく、対話の「出発点」

確かに公式の分析でも「このタイプの人にはこういう職業に惹かれる人が多い」という統計的な傾向(ニュアンス)は存在します。しかし、「このタイプだからこの仕事に就くべきだ/就いてはいけない」という決定論では決してありません。

名前に「インディケーター(指標)」とある通り、MBTI®は人を特定の型に当てはめて判定するためのものではないのです。

ネットの簡易診断: 「あなたは〇〇者です」と勝手に決めつけ、適職を断定する(判断の放棄)。

公式MBTI®: テスト結果はあくまで「仮のタイプ(目安)」。専門家(有資格者‐認定ユーザー)のフィードバックを受けながら、「本当にそのタイプなのか?」「なぜそう思うのか?」「自分にとってしっくりくるか?」を、一つ一つ自分自身で検証していく「プロセスの対話」を大切にする。

つまり、テストの結果が正しいかどうかではなく、結果を出発点にして「自分の心と向き合うプロセス」こそが本来のMBTI®です。

採用側が相手の可能性を狭めたり、決めつけたりするためのものではなく、自分の強みを知り、他者との「違い」を建設的に認め合う(エンパワーメントする)ための温かいツールなのです。

🔗 正しい情報を知るために

「採用や組織づくりに関わる者として、公式のMBTI®について正しく知っておきたい」という方は、ぜひ一度、日本における公式組織である「一般社団法人 日本MBTI協会」の公式サイトをご覧ください。

簡易診断との決定的な違いや、倫理的な取り扱いについて詳しく説明されています。

🪢結び

採用側がネットの簡易診断を鵜呑みにして、応募者や部下の可能性を「レッテル」で枠にはめてしまうのは、本当にもったいないことです。

次回は、このブームを踏まえた上で、「職場で16タイプ診断を自己紹介代わりに使う部下や若手と、上司はどう向き合えばいいのか?」という、現場での実践的なアプローチをお届けします。

「私はxxxxなんで…」職場で16タイプ診断を振りかざす若手と、上司はどう向き合うべきか?

前回はSNSなどで流行している「16タイプ診断」と、公式の「MBTI®」の決定的な違いについてお話ししました。

今回はさらに一歩踏み込んで、「職場の16タイプブームに、上司はどう向き合えばいいのか?」という現場での具体的な対話法をお届けします。

1on1や日常の現場で、部下や若手からこんな言葉を聞いたことはありませんか?

「私、〇〇タイプなので、こういう細かい作業は苦手なんです」
「あの先輩は〇〇タイプだから、絶対に話が噛み合わないんですよね」

このように、ネットの診断結果(16タイプ診断に限らず)を「言い訳」や「他者を攻撃する武器(レッテル)」として使ってしまう若手に、どう声をかけていいのか頭を抱えている管理職も多いはずです。

⚖️ なぜネットの診断は「人を決めつける道具」になってしまうのか?

ネットの簡易診断が人を決めつけてしまいがちな最大の理由は、それが「特性論(度合いや点数)」の考え方で作られているからです。

ネットの簡易診断(特性論):
いわば「テストの点数」です。「外向性が60点、内向性が40点」と量や度合いを数値で測ります。だからこそ他人と比べて順位をつけたり、「自分はこういう人間だ」と型に当てはめて満足してしまいがちです。

公式MBTI®(タイプ論):
点数や能力の差ではなく、「どちらが自分にとって心地よいか(利き手)か」を見るものです。どちらが優れているという順位はありません。

例えば、左利きの人が訓練してお箸やペンを右手で使えるようになっても、根っこにある「心地よさ」は左手のままですよね。そして日常では、片手だけしか使わないということはなく、無意識に「両手」を組み合わせて使っています。

MBTIも同じです。苦手なことや反対のタイプの特徴も、経験や訓練によって両手のように使いこなせるようになっていきます。「〇〇タイプだからできない」と諦めるのではなく、自分にとって心地よい手(強み)を知りながら、両手をどう活かしていくかを考えるためのツールなのです。

💡 職場での「適切な向き合い方」3つのアプローチ

では、部下が16タイプ診断を盾にしてきたとき、上司(管理職)はどう関わればいいのでしょうか?

① 否定せず、まずは「自己理解のきっかけ」として受け止める
「そんなネット診断なんて信じるな」と突っぱねるのは逆効果です。若手にとってそれは「自分を知りたい」「自分を分かってほしい」というサインでもあります。
「へえ、自分ではそう感じているんだね。教えてくれてありがとう」と一度オープンに受け止めましょう。

② 「タイプ=言い訳」ではなく、「次の一歩」に視点を変える(陽転思考)
タイプを理由に仕事を制限しようとしたら、こう声をかけてみてください。
「〇〇の作業が苦手だと感じているんだね。じゃあ、自分の『心地よい手(強み)』を活かしながら、その苦手な部分をどう工夫して両手でカバーしていくか、一緒に作戦を立てようか」
タイプは「諦める理由」ではなく、「どう工夫するかを考える出発点」です。

③ 「人は決めつけられない(変化・成長する)」ことを対話で伝える
「〇〇タイプだからこうだ」と固定観念にとらわれている部下には、「自分の強みや可能性は、経験や環境でいくらでも広がっていくよ」と温かく伝えてあげましょう。

🪢結び

16タイプブームを「困った流行り」で終わらせるか、「部下との対話を深めるチャンス」にするかは、上司の関わり方次第です。

部下を特定の型に閉じ込めるのではなく、「あなたにはこんな可能性もあるよ」と枠を広げてあげること。それこそが、本来のMBTI®が目指すエンパワーメントの姿です。

自社で「公式MBTI®を活用して、お互いの違いを認め合えるチームをつくりたい」という企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

「全員が自分と同じ」チームは崩壊する? ネット診断ブームの今こそ知りたい、「違い」を成果に変える組織づくり

第1回では簡易診断と公式の「MBTI®」の違いについて、第2回では「〇〇タイプだから」と言い訳をする若手部下との向き合い方をお話ししてきました。

最終回となる今回は、視点を個人の対話から「チーム・組織全体」へと広げます。

上司、管理職のみなさんは無意識のうちに「自分と似たタイプ、扱いやすい部下」ばかりを側に置いたり、高く評価したりしていませんか?

あるいは、ネットの16タイプ診断を見て「あの部署は〇〇タイプばかり集めた方が効率がいいのでは?」と考えたことはないでしょうか。

実は、全員のタイプ(考え方や心の癖)が似通ったチームは、一見やりやすく見えて、組織として非常に脆いリスクを抱えています。

⚠️ 「全員が同じタイプ」のチームが抱える落とし穴

例えば、アイデア出しが得意で推進力のあるタイプばかりが集まったチームがあるとします。一見スピード感があって活気があるように見えますが、リスク管理や細かい数値検証をおろそかにし、大きな事故を起こしてしまうことがあります。

反対に、慎重で慎重を期すタイプばかりのチームでは、失敗は少ないものの新しい挑戦が生まれず、変化の激しい時代に取り残されてしまうかもしれません。

つまり、自分と同じタイプだけで固めたチームは、全員が「同じ盲点(見落とし)」を持つことになるのです。チームスポーツでも攻撃力だけ、防御力だけと偏ったチームは機能しないですよね。

🤝 「扱いづらい部下」は、チームの盲点を補うパートナー

自分と価値観や優先順位が違う部下に対して、「なぜあの人はあんな回りくどい言い方をするんだろう」「なぜもっと慎重に動かないんだろう」とイライラしてしまうことは誰にでもあります。

しかし、MBTIの視点を取り入れると、その見え方がガラリと変わります。

自分にとって「扱いづらい」「理解しにくい」と感じる相手こそ、実は自分が持っていない視点(盲点)を補ってくれる、チームにとって不可欠なパートナーなのです。

自分が突っ走りそうなとき、ブレーキをかけてくれる人

自分が全体像ばかり見ているとき、細かいリスクに気づいてくれる人

自分が成果ばかり焦っているとき、メンバーの感情に寄り添ってくれる人

お互いの「心地よい手(利き手)」が違うからこそ、組み合わせることでチームとして「大きな両手」を動かせるようになります。

💡 「違い」を成果に変える組織づくりのステップ

では、違いを排除するのではなく、力に変えるチームをつくるにはどうすればいいのでしょうか。

① まずリーダー自身が「自分の盲点」を自覚する
リーダー自身のタイプ(心地よい手)を知ることで、「自分はこういう視点を見落としやすい」「こういうタイプに苦手意識を持ちやすい」という傾向が分かります。自分の偏りを認めることが、他者を受け入れる最初の第一歩です。

② 「違い」を欠点ではなく「補完関係」として捉え直す(陽転思考)
自分と意見が対立したとき、「なぜ従わないのか」ではなく「あの人はどんな視点からこれを見ているんだろう?」と問いかけてみてください。相手の「違い」は、自分やチームを助けてくれる貴重なピースです。

③ 心理的安全性を高め、「異論」を歓迎する空気をつくる
「違う意見を言っても否定されない」という安心感があって初めて、メンバーは自分の強みを持ち寄ることができます。お互いの違いを尊重し合い、感謝を伝え合える風土こそが、最強のチームを育てます。

🪢結び

MBTI®は、人を特定の型に当てはめて選別するためのものではありません。
「自分と他者は違って当たり前」という前提に立ち、お互いの違いを建設的に認め合い、全員の可能性を引き出し合う(エンパワーメントする)ための温かいフレームワークです。

ネットの簡易診断による「レッテル貼り」を超えて、公式のMBTI®を活用した「お互いを活かし合えるチームづくり」を始めてみませんか?

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